
香港映画『エレクション』を観た。
電影迷には『黒社会』と言ったほうがわかりやすいかも。
香港最大の黒社会組織のひとつ「和連勝会」では二年に一度、会長選挙が行われる。
年長の幹部たちが集まって2人の候補の中から1人を選ぶ場面、
長老のタン(ウォン・ティンラムおじちゃんが演じてます。バリー・ウォンのお父ちゃんですね)が工夫茶を振舞っている。
それまで喧々諤々で意見を飛ばしあっていたメンバーたちが、
茶が入ったとたんに水を打ったように静かに杯を取る。
一煎目は香りを「聞く」だけで茶水を水盂に捨てる。
二煎目が入り、ゆっくりと味わいながら、既にメンバーたちは誰に一票を投じるか決めていた。
静かに投票が行われる・・・。
実に渋いシーンである。
飲んでいるお茶は何だろうか?
濃香の青茶であると思うが、潮州式の工夫茶であるところを見ると、タンは潮州人であるという設定なのだろうか。
映画の中に出てくる中国茶は単なる小道具ではなく、
その場の空気や登場人物の精神状態を表していることも多い。
何のお茶を飲んでいるのか、どういう方法で飲んでいるのかでその人物の背景までも表現しているのはなかなか面白いではないか。