神融心酔

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

茶ノ目潮州・烏崬山の旅 その6 潮州茶藝

茶の街、潮州

 

潮州は工夫茶藝の故郷です。

街の店先には必ずと言っていいほど、机に工夫茶器が置かれ、

いつでも茶のもてなしができるようにしてあります。

 

山でも街でも、広済橋のあずまやでも、

そしてガイドさんにもお茶をふるまっていただきました。

 

茶淹れは技術的なことももちろん大切ですが、

やはりもてなしの心が一番だと思います。

美味しい茶を分かち合い、一緒に楽しむ、

そこには言葉の違いも立場の違いも年齢の差もありません。

香に酔いしれ、喉元の静かな余韻を反芻し、

幸運な一期一会を心の引き出しにそっと仕舞う。

茶旅の醍醐味と言えるでしょう。

 

 

今回の茶旅を企画してくださった

中国茶サロン 茶ノ目 の優伊さんご夫妻、

現地でお世話になった茶農家の皆さま、ガイドの呉さん、

そして旅をご一緒した皆さま、ありがとうございました。

 

大好きな鳳凰単叢の記憶がまた一つ更新されました!

持ち帰ってきた茶葉は教室で生徒の皆さまと分かち合いたいと思います。

 

 

茶ノ目潮州・烏崬山の旅 その5 大庵村へ

太平禅寺

 

烏崬山の頂上付近から旧道を少し下り、標高約900mの大庵村へ。

ここは初めての場所。

烏崬山の村の中でもひっそりと隠れているような雰囲気です。

 

以前、優伊さんの鳳凰単叢講座で飲ませていただいた大庵村の竹葉が

とても美味しかったので、訪れてみたい場所でした。

 

大庵村には古茶園があり、昔は太平寺が管理していました。

1950年代から人民公社管轄となり、

文革の波もここまでは至らなかったとのこと、

今は母樹をそれぞれ茶農家さんが管理しているそうです。

 

大庵古樹園入り口

黄老板にご案内いただき、大庵古茶園へ。

誰でも入れるのがビックリですが、

ここに来るのは意外と大変なので、観光客が押し寄せることはないのかな。

 

 

茶園は広く、山の斜面に段々に樹が植えられています。

階段があり、ひたすら登っていくと天池に行けるそうです。

いつかは行ってみたい(元気に歩けるうちに)。

 

 

鳳凰単叢の母樹の里とも言えるこの茶園には

「樹齢100年以上のものは4,000株、200年以上のものは1,000株以上」

あるとのこと。

 

茶園の中を歩いていて、私は翻訳協力をして2018年に日本で発刊した

李曙韻先生の著作『茶味的麁相 中国茶のこころ』の中の一節を思い出しました。

それは「第4章 歳月」の「樹」という段に書かれた文章で、

「中国広東省の潮州・鳳凰山に、樹齢の古い半喬木の茶樹の群落がある。

霧が立ちこめる海抜の高い場所に立ち、伝説を秘めたような存在である。

青苔が樹の幹にべったりと生えた様子は、真っ白な髪に皺だらけの老人の要望を連想させる。

~中略~

私は鳳凰山の山間に訪れるたび、畏敬の気持ちが沸き起こる。

自分のちょっとした無礼で、厳しく罰せられることを恐れている。

来世はもう茶を飲めなくなる呪いにかけられたらどうしよう、と。」

そう、烏崬山の茶樹たちはまさに仙人のようなのです。

 

大庵宋種

 

 

大庵宋種、またの名を宋種二号。

1928年に枯れてしまった烏崬山中心寅村の老宋茶の実生繁殖樹です。

黄枝香型。

看板には600年と書いてあったけれど、前回来たときに購入した資料には300年とある。

宋茶1号が枯れてしまったので、後継として出世したのかな。

 

竹葉の母樹

 

竹葉の母樹。

会えて嬉しい。

 

 

茶農家さんのベランダから望む大庵村。

段々茶畑が美しい。

竹林もあり、タケノコの収穫が始まっていました。

 

オオアタマガメ

 

茶農家さんが飼っているオオアタマガメ。

野生で捕まえてきたそうです。

 

 

大庵村にはまたゆっくり来たいなと思いました。

この旅一番の収穫でした。

 

 

茶ノ目潮州・烏崬山の旅 その4 乃興佳楽茶業へ

天池入り口にある乃興佳楽茶業

烏崬山二日目は霧の中。

前日は綺麗に見えていた景色はどこかへ行ってしまったかのよう。

頂上の天池に登る予定でしたが中止に。

そういえば、16年前に来たときは天池へ行きましたが、

やはり霧で全く景色は見えませんでした。

でも、この霧がお茶を美味しくするんですよね。

 

天地登山門の近くにある乃興佳楽茶業の茶工場を見学しました。

茶葉は低地で摘んだものと思いますが、製茶が始まっていました。

 

 

 

 

 

とてもいい香りが満ちています。

茶産地には何カ所か行きましたが、

鳳凰単叢の製茶場の香りが一番好きです。

 

 

 

 

 

乾燥機

 

機械化は進んでいますが、

それぞれの工程で熟練した人たちの手が加わらなければ、

あの甘く馥郁たる鳳凰単叢は生まれません。

 

到着したドローン

ドローンが荷物を運んで来る場にも遭遇。

日本よりもドローン使用については比較的ゆるいようです。

茶ノ目潮州・烏崬山の旅 その3 宋脈文氏茶業へ

 

次に向かったのは宋脈文氏茶業の管理する茶樹、宋茶王。

烏崬桂竹湖村にあり、ここは烏崬山でも一番標高の高い場所にある茶園です。

 

宋茶王

堂々たる風格の宋茶王。

 

宋脈文氏茶業の敷地内にある単叢説明の石碑。

宋茶王の説明もありました。

 

桂竹湖村からの眺望

 

宋脈文氏茶業

宋脈文氏茶業は茶農家というよりは茶工場の規模。

試飲と工場見学をさせていただきました。

 

鳳凰単叢の品種は広い意味では鳳凰水仙ですが、

正式に命名されたのはそれほど昔のことではないようです。

 

 

今、一番人気のある単叢茶は鴨尿香でしょうか。

潮州の茶屋の店先にも「鴨尿香あります」的な看板をたくさん見かけました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらはしっかりと見学コースが作られていて、

訪問客が毎日耐えることがないようです。


文老板の心のこもったもてなしが素晴らしく、

茶旅メンバー一同大感激でした。

試飲したお茶も美味しく、香りを堪能し、韻を味わいました。

帰る頃にはすっかり夜も更け、

昼間は晴れていたのに外へ出たら霧で視界は前方5mほど。

山の天気はあっという間に変化します。

この日は烏崬山唯一のホテル、潮州乃興石湖休閑避暑山荘に泊まります。

茶ノ目潮州・烏崬山の旅 その2 李仔坪村へ

烏崬山李仔坪村入口

鳳凰山は一つの山の名ではなく、連山です。

この地域で作られる烏龍茶が鳳凰単叢です。

その中で二番目に標高が高いのが(1,391m)烏崬山です。

たくさんの古樹があり、烏崬単叢はブランド化され、

最も品質が良いとされています。

 

烏崬山は鳳凰鎮市街地から車で30分ほど。

16年前に来たときはクネクネとした狭い旧道で

車がすれ違うのも大変でしたが、

新道ができて頂上の天池にも行きやすくなり

避暑地として観光化が進んでいます。

 

 

烏崬山の標高1,000m以上の場所にあるのが烏崬村。

7つの自然村(獅頭脚、李仔坪、楚地厝、下寮、湖厝、桂竹湖、中心寅)があり、

高品質な茶が作られています。

入り口には立派な門と鳳凰の壁面アートができていました。

李仔坪からの眺め

 

到着日は晴れて、眼下にダムも見えました。

周囲の山肌には新しい茶畑が作られています。

 

宋茶園

 

李仔坪村を少し降りていくと、宋茶園があります。

2010年に来たときにはここに宋種一号がまだありました。

2016年に枯れ、今は茶博物館に標本として展示されています(前記事参照)。

 

 

代わりに植えられた古樹も何となく元気がないような・・・?

 

李仔坪村ではまだ茶摘みは始まっていませんでしたが、

まもなく始まる製茶時期に備えて準備している雰囲気が伝わってきます。

玄関先に金柑の鉢植えが置いてある家が多いのが印象的でした。

茶ノ目潮州・烏崬山の旅 その1 鳳凰鎮へ

鳳凰鎮の茶摘み風景

3月18日から22日まで「中国茶サロン茶ノ目」さん主催の茶旅で

潮州と鳳凰山に行ってきました。

もともと9月に行く予定でしたが、台風で延期となっていたものです。

 

羽田から広州に南方航空で飛び、広州白雲空港から国内線で掲揚潮汕空港へ。

広州空港も潮汕空港も規模が大きくてビックリ。

特に広州白雲空港の広さはさすが中国、国内線ターミナルも広大でした。

空港からはバスで潮州市内まで40分ほど。

日本から潮州までは丸一日かかるので、潮州市内のホテルに到着したのは午後9時近くでした。

 

広い意味での潮州は広東省東部に位置する掲揚、潮州、汕頭の潮汕三市のことです。

現在では潮汕地区と呼ばれています。

歴史があり、固有の文化も持つ潮州は海に近いこともあり、

華僑を多く輩出している地でもあります。

 

翌朝バスで鳳凰山へ出発。

一時間ほどで鳳凰鎮の市街地に到着しました。

このあたりは標高が300~400mで、

既に茶摘みも始まっており、道路沿いでは摘んだ茶葉を拡げて萎凋する風景も見られます。

鳳凰鎮のホテルから眺めた風景

 

16年ぶりの鳳凰鎮。

回りの山には茶畑も増え、

道も整えられて、高層ビルも建ちました。

 

潮州鳳凰単叢博物館

以前はなかった潮州鳳凰単叢茶博物館へ。

潮汕建築の元邸宅を利用しており、中庭もあって広かった。



 

鳳凰単叢の製法や品種の説明もありますが、

一番の見所は宋種一号の標本です。

 

烏東山李仔坪村の宋茶園にあった宋種一号が2016年に枯れてしまい、

こちらに標本として展示されています。

前回鳳凰山に来たときには宋茶園にあったんですよね。

あまり元気はなかったので、既に樹の内部は虫に侵されていたのでしょうね。

 

 

博物館の奥の棟の二階には茶室がいくつかありました。

こちらで研修などもできるようです。

 

さて、市街地を後にして、いよいよ烏東山に向かいます。

麗香茶課10周年記念茶会

12月12日(金)、La Boheme元町中華街にて、「麗香茶課10周年・香流12周年 記念茶会」を開催いたしました。

 


会場の参加者は総勢100名を超え、これまで講師を務めてくださった27名のうち、15名の方がゲストとしてご参席くださいました。

開会式では麗香茶課のこれまでの歩みを綴ったスライドを上映。
続いてゲストのご紹介、香流サロンを拠点とするグループの活動のご紹介を行いました。

13時20分からはビュッフェ形式で軽食をお楽しみいただき、

会場のメインダイニングフロアには中国茶台湾茶日本茶など5テーブルのオープン茶席を設け、自由に試飲していただきました。
サブダイニングフロアでは4テーブルの記念茶席をご用意、

お客さまにはご希望の1茶席に座っていただきました。

 

メインダイニングの試飲テーブル

麗茶席

香流席

香港茶倶楽部席

篁峰会席

<茶譜>

 

~ウェルカムティー二種~

月光白 冷茶

武夷肉桂 金交桂

 

~ 麗香茶課10周年記念茶席  於:SUB DINING~

 

 テーブル① 麗茶席       「玉山白茶」

 テーブル② 香流席       「橙茶」

 テーブル③ 香港茶倶楽部席 「鳳凰単叢茶・銀花香/夜来香/八仙」

 テーブル④ 篁峰会席     「雲南省紅茶・雪山紅」

 

~お食事と共に オープン茶席  於:MAIN DINING ~

 

●大陸茶席 ⑴

①信陽毛尖

②英紅九号 金毫

③涇渭茯茶

 

●大陸茶席 ⑵

①炭焙鉄観音  2025年寒露

②武夷紅茶 妃子笑 

③白毫茉莉花茶

 

台湾茶

①硬枝紅心 石門鉄観音

②正叢鉄観音梨山高山烏龍炭焙茶

③坪林 紅玉緑茶  

 

●台湾原生山茶席

①白茶:魚池 野放山茶 魚池郷中明村

黄茶:高雄 原生山茶  桃源寶山 哈哪谷

③紅茶:魚池 蔵芽(山茶) 魚池郷農会 

 

日本茶席(ティードリッパー)

冷茶二種  深蒸し煎茶、普通煎茶 

 

’麗’茶と'香’流

10年をひとつの節目として改めて中国茶文化の学びと人的交流について考えるいい機会となりました。

 

もともと私がこの活動を始めようと考えたきっかけは、

・50代は社会に何かしら役立てることをやりたい

・この先生の講座を聴きたい→自分で企画するのが手っ取り早い

・横浜中華街の香流サロンを相方の加藤さんが立ち上げて、その場所が活用できる

という理由からでした。

今は自分自身も既に古希に近づいており、

社会的役割はある程度果たしたかなとも思います。

これからは自分自身の立ち位置を整えることが優先されるべき時期でしょう。

現在では茶文化講座は各所で開かれており、

香流サロンも多くのグループ活動で盛況の様子です。

私自身の麗香茶課での役割はこれから先は徐々にフェードアウトしていくのかなと

今回の記念茶会を終えて実感しました。

 


ご参加の皆さま、ありがとうございました。